No.1
タイトル:これでいいんじゃない?
試乗車:スズキ スプラッシュ

新車売れ行き台数が減少を続けるこの頃・・・各メーカー新型の投入に、かなり、複雑な心境では?・・・とはいえ、スイフトの販売好調のスズキにあって、さらに追加されるコンパクトのクラス。ヨーロッパの感性で鍛えられた「スプラッシュ」はどんな基準で作られているのか?その実力を検証しに乗ってまいりました。
 エクステリア
 一見してSWIFTのプラットホームで構成されたと思われるシャーシからは意外なほどコンパクトに思える外観。大胆だが無駄の無いフォルムはボンネットの大きさによるところが大きい。プジョーの形が全般のトレンドになることは多いのだが、たたき台はその辺りと理解してもヨーロッパ車に限らすここ数年はやっているグリルを踏襲した新しい提案であろう。経済性を追求されがちなコンパクトにあって、できることを形にした、良いデザインだと思う。正直、CFの写真写りより、実際の車の方がかっこよく見えるタイプである。
 インテリア
 外観同様に許される範囲での冒険はよくしている。特にドリンクホルダーを違和感無く、格段に使いやすくしたレイアウトとその形は実に心地よい。独特だったSUZUKI共通パーツの吹き出しを使わずに、使い心地のみを追求した空調周りの形もまさに必要を突き詰めたデザインだ。そのポリシーはシートからドア周りの内装にまで、一貫した形にできており、「ものすごい何か」の反対側の「普通だけどしっかり」を踏襲している。実に心地よい。スポーティーな走りをイメージさせない作り込みなのに、しっかり走れるあたり、日本のユーザーにはスポーツ感覚のオプションメーターなどがあると、受け入れやすいのかもしれないが、SWIFTとの棲み分けを考えるとこれで良いのだろう。
 走行安定性
 走り始めて、すぐに気づくのは、排気量を感じさせない、すこぶる軽快な立ち上がり。CVTは今時の当たり前になったので、おいしいトルクを使っているのは当たり前だが、あのしっかりとしたピックアップは「すばらしい味付け」と言うほか無いほど、小排気量のストレスを感じさせない。静粛性もこのクラスとは思えないほどいい環境で、足回りは結構路面をダイレクトに伝えてくるのに、出てくる音を目立たなくさせる良いチューニングである。ハンドルの操作感覚も路面にとられるような感じもないし、かといって伝えてこないのではない。この部分が、ヨーロッパ感覚なのか?特にブレーキフィールはフロントをあまり大きく動かさないで、その分リヤのサスペンションストロークで全体の動きをしつけている辺り、路面変化が多い文化圏の好みなのであろう。たとえばコーナリング中。軽くロールしている最中に、加重が移るような急な操作があっても、コンパクトに似つかわしくないほど次の挙動にまで、しっかりリヤサスペンションやショックアブソーバーが仕事をして全体の動きに不安を抱かせる動きにならない。このクラスで・・・実にいい。普段からの足なら、本当はこれでいいんじゃないか?と思える瞬間があった。日々進化である。
やっぱ〜くるまはのってみにゃ〜わからんけ〜!


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